山形での芋煮会の位置づけ

私には不幸にして「芋煮会」を知らない後輩がいる。その彼「仙台七夕」すら知らないまま社会に出てきてしまったというのだから芋煮会を知らないと言っても驚くには値しないが、実に嘆かわしいことだ。本来であれば会社内トレーニングで更正させていただきたいが、残念ながらそのようなトレーニングはないらしい。というか、必要すらない一般常識ということなのだと思うが。
ここでは芋煮がいかなる料理かは既に知っているとして(別な機会で紹介したい)、山形での芋煮会の位置づけを紹介してみたい。仙台の芋煮を知っている人には楽しんでいただけると思う。仙台の芋煮文化ともまた違うのだ。



山形市の馬見ヶ崎川でのワンショット。大小のグループが河川敷きに陣取り、鍋をいただく秋のイベント。春に花見があるのであれば、秋には芋煮会。ごく普通のイベントだ。山形芋煮の一等地は橋の下だ。橋の下だったら雨が降っても芋煮が出来る。天気が怪しい場合、朝早く起きて橋の下を陣取る、これは鉄則。山形県民は雨ごときで芋煮会を中止しない。


山形市では行政も一緒に芋煮会を後押ししている。川には水場とトイレ。これがなくてはおちおち芋煮会が出来ない。ほら、河原の看板にだって「花火、芋煮会等の火の始末は・・」ってちゃんと書いてるじゃん。この馬見ヶ崎川は日本一の芋煮会の会場、言ってみれば芋煮の聖地だから、ある意味あたりまえかもしれない。でも、この程度の施設はどこの川にもあるよ。


これは山形にどこにでもあるスーパー、ヤマザワ。今回はあえて山形大学の隣のヤマザワをのぞいてみました。「洗い里芋(皮がすでにむいてある里芋)」の隣には「しめじ」「豆腐」「うどん」「紙皿」「紙コップ」・・必要なものがこの一角で全部そろっちゃいます。あとは調味料と水だけ。鍋のディスプレイで一目瞭然、だれもここをカレーのコーナだとは思わないだろう。
スーパーの入口には、貸し出し用の鍋から薪まで一式揃って至れり尽くせり。薪は有償だが、鍋はそのお店で食材を買えば無償貸し出しになることが多い。



同じく山形大学付近のスーパーの雄、みつます。みつますは仙台に多分ないのでレア度が高いぞ。店頭の貸し出し鍋や、店内の芋煮コーナーを期待して行ったものの、全然見つからず。なぜ、なんで?その答えは、店頭に立ててあった看板にあった! 「いも煮サービスセンター」があるからだっ!日時と場所を伝えれば、全ての材料と機材をもって来てくれるというシステム。なるほど、これはすばらしい!いも煮サービスセンター万歳!

という訳で、「芋煮会」はたんなる遊びじゃないということが分かっていただけたろうか。アウトドアといえばバーベキューなどが世間一般的には有名だったりするが、バーベキューセンターなどというものは存在しないだろう。こと、山形においては「芋煮会」の一人勝ちだと思う。仙台においては時により年齢層によりバーベキューが買ったりもするが、山形においてはそれはありえない。かっこいい/悪いの対象ではないのだ。以上、証明終わり。


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